元はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなビジネス開発本部 営業部 部長の高野です

今年読んで面白かった本10冊

せっかくの年末なので、振り返りの意味も込めて、今年読んで面白かった本を10冊挙げていきたいと思います。出来るだけ今年発売(ひょっとしたら去年に発売された本もあるかも)の中からセレクトしてみました。

まずはビジネス回り。

ゲームの父・横井軍平任天堂のDNAを創造した男

ゲームの父・横井軍平伝  任天堂のDNAを創造した男

ゲームの父・横井軍平伝 任天堂のDNAを創造した男


横井軍平さんすごい。ものづくりする人、任天堂の面白さと凄さが伝わってきます。十字キーって当たり前のようですごい発明。横井軍平ゲーム館を読んでからの方がより面白い。

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略

ちょっと冗長な気もしますが、今後「シェア」という考え方を理解しておくことは重要だと思います。

バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある

バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある

バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある

人から人に伝わっていくサービスについて。広告視点の話はよく読むけど、サービス視点の話はあんまり見ないような気が。その視点でしっかりまとめられた本。

大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

  • 作者: 吉田就彦,石井晃,新垣久史
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 2人 クリック: 24回
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口コミによるヒットを数式化した本。正確には数式化しようとしている本か。実用は難しそうだけど、試みとして面白かったです。

スイッチ!

スイッチ!

スイッチ!


一回ブログにも書きました。

次は一般書籍。

耳で考える ――脳は名曲を欲する

一般書籍なのかな。もっと五感を使って考えなければいけません。

ピストルズ

ピストルズ

ピストルズ

神町サーガ、シンセミアの続編。この作品で救いがあるってことは、この続きは凄いことになりそう。

「悪」と戦う

「悪」と戦う

「悪」と戦う

小学生が「あく」と戦う話。「悪」って目に見えて明らかなものではないんですよねー。

歌うクジラ

歌うクジラ 上

歌うクジラ 上

iPad版で読みました。コインロッカーベイビーズ、半島を出よの系統が好きならハマると思います。

悪の教典

悪の教典 上

悪の教典 上


イッキ読みしました。


あとは、昔の本ですが、この2冊がとても面白かったです。

パーミションマーケティング

パーミションマーケティング―ブランドからパーミションへ

パーミションマーケティング―ブランドからパーミションへ

ユーザーとのコンタクトという事でソーシャルメディアマーケティングともてはやされ、何か見失いがちに感じるけど、このパーミションを得るという考え方を忘れないでおきたい。

数に強くなる

数に強くなる (岩波新書)

数に強くなる (岩波新書)

「数字」ではなく「数」。「数」って可愛くて面白い。文系頭の僕から、数への苦手意識を取り除いてくれた本。


ここには挙げられなかった本もあります。「1Q84 BOOK3」は言うまでもなく面白かったし、「隣の家の少女」「中原中也 悲しみから始まる」「縄文聖地巡礼」なんかも良かったなー。昔の本だけど、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」は本当に面白かった。何か忘れているものもありそう。

でもまだ読みたかった本が全然読みきれない。「コトラーのマーケティング3.0」と「モチベーション3.0」読んでおきたかった。来年も良い本に出会いたいなあ。

ブライトスポットを探す

スイッチ! 「変われない」を変える方法、という本を読みました。いやー面白かったです。どんな本かといえば、「どうすれば人の心(自分も含めて)に変化を起こさせられるのか?」です。この本では、感情を「象」、理性を「象使い」に例えています。
象使い(理性)は象(感情)に比べると、はるかに小さく、弱っちいものです。大体象使いは勝ち目がありません。無理して頑張ってもいつかは負けてしまいます。

象使いが負けるとは?

例えば、ある大学生たちを対象にした実験。実験前3時間は何も食べないように命じていた大学生を、焼きたてクッキーでいい香りの充満した部屋に連れていきます。その部屋には2つの皿があり、一方にはクッキー、一方には大根が置かれています。半数の大学生にはクッキーを食べ、半数には大根のみを食べてもらったそうです。当然大根のみを食べた大学生は、クッキーを食べている半数をうらやましそうに見ていたそうです。その試食の最中、研究者はあえて出ていったそうですが、クッキーを盗み食いした学生は一人もいなかったらしい。偉いですねー。僕だったら盗み食いどころか大根で殴り掛かるかもしれません。


その後、絶対に解けない一筆書きのパズルが出題されました。結果、クッキーを我慢せずに食べることが出来た学生に比較し、我慢して大根だけを食べていた学生のほうが、すぐにパズルを解くことをあきらめてしまったらしいです。なぜかというと、セルフコントロールを使い果たしてしまったからだそうです。

うーん、セルフコントロールって消耗資源なんですね。。。


これを知らずに無理して努力するより、しっかり効率よく努力しましょう、変化を起こしましょう、という事が書かれています。象使いは計画や方針を、象はエネルギーを担当し、協力すればそれは凄いぜ、という事です。

この本が凄いところ

自己啓発、教育、プレゼンテーション、色々な観点から読むことが出来ます。そのあたりの本を何冊か読んでいれば、伝えたいメッセージは目新しいものではありません。例えば人を変えるには、方向性を指し示してあげる、ヤル気を与えてあげる、環境を変えてあげる、など。そんなん今更って話です。


でもこの本が凄いのは、その人を変える方法を整理して、豊富な実例を引用しながらまとめられている所です。「なるほどー」と納得するところがたくさんあります。


色々勉強になったのですが、せめて一つだけ肝に命じておこうと思ったことを書き残しておきます。
それは「ブライトスポット」を探すこと。お手本となる成功例を探すということです。

ブライトスポット

いくつも事例は載っていますが、その中から一つ。


セーブ・ザ・チルドレンに務める一人の男性が、ベトナムの栄養不足に苦しむ子供の問題をどう解決したか?そこにはたくさんの解決すべき問題がありました。貧困、不衛生、清浄水の未普及、栄養への無知。。。当然ながら予算もありません。


そこで彼が実施したのは、地方の村々を訪れ、貧乏でも栄養の足りた子供を探したことでした。そしてその子供の何が違うために、栄養が足りていたのかを探したそうです。


結果、栄養不足の子供は家族と共に一日二食、最高級の米など、やわらかい食品を中心に食事をしていました(そしてこれが村の常識でした)。一方、栄養が足りている子供は一日四食に分け、その村では子供向けと考えられていなかったエビやカニ、さらに低級な食べ物と見られていたサツマイモの葉を食べていたそうです。


そして、この知識を共有して終わるのではなく、村全員で手分けして食事を作ったそうです(エビやカニも混ぜながら)。知識を伝えて終わりではなく、希望を与えて実践してもらったんですね。


大体やりがちなのが、問題点の発見と分析です。もちろん大事なことですが、貧困、不衛生、、、といった問題を分析しても、結果論文や改善計画が建てられるだけで何も変わらなかったでしょう。

困難な問題、分析は思考を麻痺させます。「ブライトスポット」、当たり前のようだけど、大事な考え方です。明日はあのゆとり野郎のブライトスポットを探してあげよう。無かったらどうしよう。いやあるよきっと。


まとめ

  • 象使いに方向を教える
    • ブライト・スポットを手本にする
    • 大事な一歩の台本を書く
    • 目的地を指し示す
  • 象にやる気を与える
    • 感情を芽生えさせる
    • 変化を細かくする
    • 人を育てる
  • 道筋を定める
    • 環境を変える
    • 習慣を生み出す
    • 仲間を集める

スイッチ!

スイッチ!

映画「ソーシャルネットワーク」観てきました

映画「ソーシャルネットワーク」の試写会に行ってきました。すげえ面白かったです。


そもそも監督が「セブン」「ファイトクラブ」、最近では「ベンジャミン・バトン」のディヴィッド・フィンチャー、サントラを元ナイン・インチ・ネイルズトレント・レズナー先生が担当している時点で期待大で、お金払って絶対に観に行こうと思ってた映画でした。もちろんFacebookという題材も、仕事柄捨ておけません。色々感想を書きたいところですが、一般公開前ですし、内容にはあまり触れないようにします。


ただ、こちらのブロガーさんの書かれたエントリーを読んでから観た方が100倍楽しめます。
映画「ソーシャル・ネットワーク」を見る前に予習をおすすめするものたち - インターネットもぐもぐ


しかし、なぜデヴィッド・フィンチャー監督がFacebookをネタに映画にしたのか?あんなにダークなタッチの、サスペンス映画を主に撮影してた人が?という意見も聞かれます。
「も、もしかして金に負けたのか?」いや、観て思いましたが、デヴィッド・フィンチャーデヴィッド・フィンチャーでした。


偶然かもしれませんが、彼は「セブン」「ファイトクラブ」「ゾディアック」と、一作品ごとに2人の男性を主人公に、光と影のような人物を据え置いて映画を撮っているように思えます。世の中の大抵の作品がそうであるように、お互いに追いかけあったりするうちに、この光と影の部分は曖昧になります。薄っぺらな言い方をしてしまえば、こうした関係性を描くことで、本来多面的でデコボコした人間の心、人間の姿を描いているのでは、ということです。


とりあえず「エイリアン3」は無かった事にして、これらを奇数作、そして「ゲーム」「パニックルーム」「ベンジャミン・バトン」を偶数作と呼んでみます。そうすると、奇数作の方がデヴィッド・フィンチャーらしい人間の清濁のカオスを描く作品で、偶数作の方がもっとストーリーに凝ったドラマ的な作品に見えてきます。


で、今回はマーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サヴェリンをその奇数作パターンで描いたのかというと、いやちょっと違いました。マーク・ザッカーバーグと、ソーシャルネットワークFacebookFacebookにリアルに仕事として関わる人から、ネットのFacebook内で関係を築く人たちまで)として描いたのかな、と思いました。これまで描いてきた2人の主人公の関係、これをもっと拡大して大きなものに、さらに「今」のアメリカでリアルタイムに進行する大きなものとして描くなら、Facebookは題材としてうってつけです。


よくあるサクセスストーリーにも出来るのにそうしなかった。「geekがリア充に勝った!」とか「悔しさをバネに成功した!やればできるよね!」とか「天才の苦悩と努力!」とか「会いたくて会いたくて震える!」とか、ありきたりでくだらないよくある無難な映画に出来るのにそうしなかったわけです。


そうしなかった「ソーシャルネットワーク」、面白かったです。


しかし「ゾディアック」で過去のアメリカを切り取り、「ベンジャミン・バトン」でアメリカの歴史を描き、「ソーシャルネットワーク」は今のアメリカを描いたので、今後はどんな作品を作ってくれるのでしょうか。もう期待してしまいます。


もう一つ、わずかにDead Kennedysというアメリカ西海岸の80年代ハードコアパンクバンドの曲が流れたことに、非常に興奮してしまいました。3秒程度でしたが。デッケネだ!デッケネだっ!


いやー面白かった。良かった。つまりこのブログの内容を一言で言うなら「デヴィッド・フィンチャー大好き。面白かった!」です。

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営業視点でサイボウズLiveを使ったら

今日、はてなにサイボウズLive紹介記事がアップされました。

電子メールを使わない仕事術――サイボウズLiveが目指す新しいコミュニケーション - はてなブックマークニュース

「Eメールを使わない仕事術」と聞くとそんなハズないと思われる方もいるかもしれませんが、近い未来を考えたら有り得なくないと思います。連絡を取る手段も対面⇒電話⇒携帯電話⇒Eメール⇒携帯メール…と変わってきた訳ですし。僕もプライベートではtwittermixiメールなどで連絡が来るようになってきました。そしてこのサイボウズlive、僕も使わせてもらったのですが、とっても便利です(提灯ブログのようですがw)


今ははてなグループを使ってやり取りすることが多いので、Eメールはそんなに使っていないんですが、過去はEメールのやり取りを山のようにしていました。そんな実体験に基づいて「1年以上前に使っていたら重宝していた!これ便利!」と思ったところを書いていきます。

プロジェクトごとにグループを作ってやり取り出来る

例えばたくさんのプロジェクトを管理している場合。10つくらいクライアントを抱えていて、それぞれ頻度の高い社内・社外でのやり取りがあり、かつそれだけでなく会社としての業務連絡・新規サービスの開発・営業チームの連絡。。。これらがまとめて一つのメールボックスに届くとひどい事になります。「全部メール自動振り分け設定すればいいじゃん」という人もいますが、そう設定しておいて大事なメールに気づかなかったトラブルになっちゃった、というケースは幾つも見てきました。


この状態で一日外出していて夜遅くに戻ってくると、300〜500通くらいメールが届いていたりします(迷惑メール除く)。その時まずやることが、大事に読み込むメール、要返信メール、数秒で内容を把握するメール、無関係メール、迷惑メールを出来るだけ早く振り分けていくことでした。この時「オレはメール振り分けマシーンだ!」と機械になったつもりで作業します。これがサイボウズLiveだと、予め間違いがなくメールが振り分けられています。しかも迷惑メールが来ない。まあ、そもそもスマートフォン対応しているので、外からでもメールがチェックできます。本当に1年前に欲しかったぜ。しかもGoogleカレンダーとも同期できるようになっています。プライベートの管理も連携できてしまう。

トピックごとに掲示板がたっている

業務の引継ぎを受けた時、たいてい大量のメールも引き継ぎます。「これまでのやり取りは、このメール読んでおけば分かるからーじゃあねー」と言われますが、そんなに大量のメール読みきれません。わけわかめです。タイトルもRe:Re:Re:Re:Re:Re:とかになってるし。レレレじゃねーんだよと。それがサイボウズLiveだと、話題になっているトピックごとの掲示板なので、パッと内容を把握できます。このパッと、というのが大事です。

添付ファイルがちゃんと保存されている

同じく業務引継ぎを受けた場合。メールを引き継いでも提案書なんかは引き継がれてなかったりします。メールを漁っても添付ファイルは失われています。「過去にあったこの提案ですが…」と言われても、これもまたわけわかめです。サイボウズLiveはファイルがちゃんと残っています。しかもトピックごとに!あとは、みんなで共有しているので、どれが最新のファイルがちゃんと分かるのがいいです。

「お世話になっております」ともう言わない

さらに嬉しいのが、「お世話になっております。○○の高野です。ご連絡を頂きましてありがとうございます。さて。表題の件につき…」という面倒な前置きがいらなくなります。一つのトピックでやり取りする、つまり議論の場なので、いきなり確信をつけばいいのです。「おせ」だけ入力すると、この一文が自動入力できるハックもやってましたが、常々無駄なハックだと思ってました。メール送信側も受信側も無駄だと思いつつ慣習だから外せないんですよねー。あとからメールを見直す時も、もうどれだけ平素よりお世話になっているのか早く本文に入ってくれ、と思うわけです。


以上、決してグチではないです!営業目線での利点を書き連ねました。もちろんサイボウズLiveは営業だけでなく、プライベートでも使えます。家族のやり取りにだって使えます。もしかしたら一人サイボウズLive一アカウント、という時代だって来るかもしれません。極端に思われるかもしれませんが、10年先のコミュニケーションツールがどうなっているのかはまだ誰にも分かりません。という訳で、興味があったら、一度触ってみたら良いんじゃないでしょうか。

twitterによる流入数増加の実験方法

ソーシャルメディアの活用=評判熟成、One to Oneマーケティング…と言われています。でもまだまだ活用している企業は少ないのが現状です。中々獲得に繋がらなかったり、成果が図りにくかったりするためでしょうか。そりゃそもそもの目的が違いますからね。


でも、流入施策として見ても、最近はかなり見過ごせないものになっています。特にtwitter。参考になるのは下記のエントリーです。


Nothing found for Secret-of-10000-pageview-per-day


こちらのブログは実例に基づいているので、かなり熱い情報量です。


確かに友人が「この記事面白い!」「この商品便利!」と話しているのって、相当信頼の置ける情報ですよね。今twitterがそういった場になりつつあります。(昔、FacebookAdsって評判になりましたよね)そうすると、twitterユーザーの母数が増えれば、大きな流入施策・ブランディング施策になるのは当然です。


「じゃあどうすればtwitterから流入が増えるのか?」という実験がしたいのなら、twitterアカウントとはてなIDがあれば簡単に実施出来ます。
方法は、はてなブックマークtwitter連携させます。そして興味のある記事をブックマーク→そのままtwitterに流す、以上です。そうすると下記のような数値が見えます。自分のtweetでその記事にどれくらいの流入があったのか、RTされたのか、が可視化されます。

f:id:mtakano:20100915215137p:image

RT増えるとハンパないことになります。

f:id:mtakano:20100915215138p:image


これ、自分のフォロワー数に対してどれだけクリックされているかを考えると、相当高いCTRです。たくさんの人がつぶやいたら、正に塵も積もれば…、です。


はてブtwitter連携でtweetされる内容は「ブックマーク時の自分のコメント」+「記事タイトル」+「URL」です。これを元に、いつの時間、どんなタイトルの記事にどんなコメントを加えると、どれだけの流入が生まれるのか。そして自分のソーシャルグラフではどんな記事が興味を持たれるのか。そのトライアンドエラーが実施できます。


例えば先のエントリーだと、10時にブログをアップしたことが効果あった、とあります。通常、サイトのアクセスが増加するのはお昼と夜の時間なんですね。そう考えると朝10時にアップして、お昼の段階でちょうどはてブホッテントリ入りして注目が集まった、というキレイなコンボに成功したんではないでしょうか。僕の友人だと、夜遅くにtwitterをチェックしている人が多いので、夜tweetする方が流入やRT数が多いです。で、あとは一言自分の生のコメントを加えている方が流入が多いですね。やっぱり親しみが沸くからでしょうかね。


仮に企業側、コンテンツ提供側に立った場合。こんな風にtwitterを使うことで、流入獲得に加え、ユーザーがコンテンツに興味を持ってくれたのか?を数値+コメントとしてフィードバックしていくことができます。それをもとにより良いコンテンツを提供しようとすれば、とても良い循環になります。さらに、今後はmixiチェックの母数も加わっていきます。これは凄いことになるかも。


「いずれはソーシャルメディアの活用も考えなければなー」と、皆さん思っているかもしれません。でも、その「いずれ」がかなりのスピードで近づきつつあるように思えます。

mixiが可能にするかもしれない、分かりやすいソーシャルメディアマーケティング施策

先日、mixiソーシャルグラフのプロバイダ、人と人とのつながりのハブとなる、という戦略が発表されました。


こちらはmixi meetupの内容のまとめです。
Mixi meetup


これが広告にどのような影響を与えるのか?はまだまだ考えなければなりませんが、今時点で思うことを書いていきます。


しばらく前からソーシャルメディアマーケティングという言葉が流行りつつも「じゃあ具体的に何を達成すれば成功なの?どんな目標を持ったらいいの?」という声がよく聞かれました。現在のソーシャルメディアマーケティングは、個人とどれくらい関係を築くことが出来たか、もしくは個々のコミュニティでどれだけ盛り上がったのかだったため、結局どれくらいの効果があったのかが見えづらいものでした。バイラルについての統一した指標がなかったという事です。そうすると、目標を持ちづらい、結果具体的に何を優先して実行すべきかが分からない。。。となります。(もちろん、バイラルが目に見えて購入などのゴールに繋がった成功事例もありますが)


ですが、今後のユーザーのmixiへの参加次第で、目に見える成果が出来上がってくるのではないか、と思います。ソーシャルメディアマーケティングの施策は、大きく「mixitwitterなどのバイラル」と「個々のコミュニティ」戦略になるかもしれません。具体的に言うと、mixiTwitterでどれだけその情報が流れたか。そしてそれが、どんな影響力を持つユーザーから波及していったのか。(データの取得方法等の課題はありますが)


mixiチェックにより、自分の友達の行動が分かります。何を買ったのか、どこに行ったのか、どんなニュースを面白いと感じたのか。ユーザーにmixiチェック面白い!と感じてもらい、どれだけ注目度が上がるか次第ですが、ソーシャルグラフに対する多様なプロモーションが可能になります。


まあ同様のことは、Twitterでも出来ています。僕個人で考えたとき、情報収集のためのツールとしては、Twitterが大きな割合を占めています。友人や自分の尊敬する人が「これ面白い」とtweetしたURLつきのニュースは、趣味嗜好が似てるだけにクリックしてしまいます。ニュースでなくとも、tweetした商品、イベント、旅行先。プラスの内容のtweetだと、当然親しみが湧きます。


さらに流入施策という観点でも、Twitterからの流入はどんどん増加しているんですね。
2012年Googleが介在しない社会『AISA(アイサ)』〜ソーシャル時代の新消費行動モデル - (旧)ガイアックスソーシャルメディア ラボ


これは他サイトの調査の結果の引用ですが、自分でも体感しています。もうTwitterからの流入は見逃せないです。これにmixiチェックも加わったら、凄いボリュームになるかもしれません。そうすると、mixiTwitterにどれだけその情報が流れたか、は大きな指標になるのでは。もちろん他のmixi機能もソーシャルグラフにアタックする施策場所となります。


なんだかこう書くと、「友達との関係にまで企業が入ってくるのか!広告施策とかいらないよ!」と思われるかもしれません。でも、基本的には企業はユーザーのためになる施策を打たないと成立しないのがソーシャルメディアマーケティングなんですね。ユーザー側には生まれるメリットの方が大きいと思います。


個人的には、ぜひmixiに成功して欲しいです。はてなが協力してるってのもありますが、何と言っても面白そうじゃないですか。なので放置していたmixiアカウントも整理して(すみません)、mixiチェックも使いながら、今後の動向を注意深く見守りたいと思います。

Google Insight for Searchの精度が上がった?

先日、こちらのブログにて、Google Insight for Searchの「転職」「求人」グラフを比較しました。


Google Insight for Searchの「転職」「求人」グラフの比較から見えてくること - mtakanoの日記


結論としては、不景気にともなって「求人」というキーワードで検索するユーザーが増加しており、似たようなキーワードでもモチベーションが違いますねー不景気嫌ですねーという事でした。
前回、もう一つ書きたかったことをアップします。今回のテーマは、Google Insight for Searchの精度が上がったのではないか?という事です。


まず、前回のエントリーで「求人」と「不景気」を紐付けました。ですが、必ずしも「求人」での検索が後ろ向きな訳ではありません。例えば看護師さんが、勤めている病院を変えたい時。職場を変えることも「転職」ですが、そうはいっても職を変えるわけではないので、「看護師 求人」で検索する方が自然かと思います。何かしらの資格を持っている方は、「転職」ではなく「求人」で検索するのでは無いかと思います。(「求人」どころか、もっと意外なキーワードかも。。。)


ちなみに、下記が「看護師 転職」「看護師 求人」の検索ボリュームのグラフです。

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ですが、半年ほど前に、Google Insight for Searchで「看護師求人」「看護師転職」を叩いてみたとき、現在とは違ったデータが出てきました。今でこそ「看護師求人」の方が定常的に検索数が多いというグラフになっていますが、当時には2009年春頃から「看護師転職」の検索数が急激に伸びる、というグラフでした(キャプチャーとっておけばよかったぜ)。


まあ色々とありまして、この時期から看護師の人材紹介に参入する会社が多くなったんですね。その結果、下記のようなグラフになりました。


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おそらくは、SEMに関わる広告主・代理店が情報収集のために検索していたのではないかと。。。市場に起きた変化は事業に参入する会社が増えただけで、それですぐに転職する看護師さんが増えたという話は聞かないですし。Google Insight for Searchで「求人」の方が検索数が多いとはいえ、人材紹介関連がSEMで獲得を狙うビッグキーワードは「転職」なので、その観念に従い、皆さん「看護師 転職」で検索したのでしょう。


とはいえ、Google Insight for Searchのグラフが変わった、というのはおかしいです。検索数値というのは、客観的な不変の数値なので。それが変わる、というのはGoogle側が、その時期の「看護師 転職」の検索数データを「ノイズ」と捉えたということでしょう。で、「ノイズ」のデータを除去したと。
ビッグキーワードなので検索用のbotがいくつも出てきて、良からぬことをしたのかもしれないですね。(例えば、競合の広告主の広告をクリックするbotを作っていたり、、、と想像を膨らましてみる)


そもそもなんですが、僕は「転職」「求人」であれば、「転職」の方が検索数が多いもんだと思ってました。前回のブログを見て、「あれ、求人の方が検索数が多いの?」と思われた方もいるかもしれません。


つまり何が言いたいかというと、「ちゃんとノイズを除去しているGoogleという検索エンジンすごいなー」という事です。
どこかの検索エンジンと比べて、自然検索結果に表示される関連検索キーワードも信頼が置けますし。(ちなみにGoogleの関連検索キーワードは、検索数だけでなく、そのキーワードに関わるWEBのコンテンツがどれくらいあるか?も鑑みているらしいです)
こういった品質管理によって、例えばリスティング広告の不正なクリックも判別してくれる仕組みがあるんではないかと思わせてくれます。



それにしても、うーん、マニアックすぎて、だから何だと言われれば何でもない。。。