元はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなビジネス開発本部 営業部 部長の高野です

まずは社内向けのソーシャルメディアが必要なのでは

仕事柄、企業のマーケッターの方と、「フランクに情報交換しましょう」とお会いすることがあります。はてなで営業をやっているからか、「ソーシャルメディアの活用ってどうなんでしょう」という話題をふられることが多いです。ですが僕は、あくまでもはてなの媒体営業なので、とてもとてもソーシャルメディアコンサルティング的な話は出来ませんごめんなさい。


そうはいっても何とか頑張って、僕から見たソーシャルメディア(というか最近のWEB)の話を喋ったりしているうちに「サイボウズLiveやchatterのような社内向けソーシャルメディアを持つところから始めたほうが良いのでは?」という話になったりします。

社外への情報発信の前の、社内の風通し

「震災が起きて、会社としてどう情報発信して何をすべきか?と悩んでます。ソーシャルメディアで何かが出来るんじゃないですかね?」というお話をよく聞きました。

ただ具体的に、何をすべきかが分からない。
寄付以外に何かが出来るのでは?
企業のメッセージ発信以外に、何か具体策が出来るのでは?

たくさんの社員さんがそう思っていて、実は個別に実行している人もいるし、部署ごとに具体策を実施していたりもするようです。でもその声や行動は、上長、WEBで情報発信をする人にまで届かず、結局会社の外にはまとまったコンテンツとして届いていなかったり。


実は色々実行しているのに、把握出来ていないから情報発信出来ない。きっと震災のことだけではないのでしょう。発信されていないだけで、眠ってしまったたくさんのエピソードがあるんだろうなあ。


それならば、社内にソーシャルメディア環境を作ることで、自由にフラットに意見を出し合い、良い発言には「いいね!」を集めて、これまでは光の当たらなかった声や行動に光を当てていくことから始めた方がいいのではないでしょうか。(もちろん社内政治上手い人間にいいね!が集まったり、上司に晒されたりはあるでしょうけど。パワハラこわい)

社内での情報発信と傾聴

ソーシャルメディアを活用しよう!という風潮は盛り上がっています。でもブログやファンページを持ってエンドユーザーに情報発信するよりも前に、「まずその会社の中での風通しのよい情報発信の場を作るべき」という議論が、もっとなされてもいいと思います。


そして、ソーシャルメディアを使った傾聴ともいいますが、そもそもお客様と向かい合っているたくさんの社員の方々の中に、たくさんの素晴らしいアイデアが眠っているのではないかと思います。その社員から傾聴することの方が、もっと高いリサーチ効果を得ることだってあるのではないでしょうか?

Google+は興味関心で繋がるネットワークになるかも

Google+使ってみました。Googleは情報を整理すると言いながら、Androidマーケットのようなカオスを作りますが、これもとてもカオスな立ち上がりでした(僕の身の回りでは)。

サービスイン当日は誰かを招待することが出来なかったので「ひとりきりで使うソーシャルネットワークさみしい」と無人の空間にコメントをしておりました。。。


ですがその翌日、招待可能になった途端、ほぼはてなの全社員がGoogle+に参加、午前中は仕事にならないくらいGoogle+を使い倒されました。ものすごい速さでストリームが流れていきます。
@や+をつけることでメンション飛ばせたり、シェアが何回も出来たり、コメントすることでずっとageになったり、そういったGoogle+の使い方はストリームを見ながら覚えていきました。この時は凄かった。ビデオチャットしたりみんなでyoutube作ったり。今ではコラ画像が流行っています。ひたすらボケを重ねあうカオスなストリームのようです。


それはそれとして、TwitterFacebookmixiもある中で、このGoogle+をどんな風に使おうかなーと思いながら、なんとなく日々眺めていました。

で、最近気づいたのが、お知らせで表示される「○○さんがあなたをサークルに追加しました」が、大体70%くらいは実際の知り合いしか出てこないようになりました。
ユーザーが自分の関係をサークルにしれくてるので、この関係性をアルゴリズム化すれば、自動的に知り合いネットワーク判別の精度も高まっていくという仕組みなのでしょうか。


利用当初はどんなにGoogle+の機能が優れていても、メールアドレスを起点としたネットワーク形成ではFacebookほど広まらないのでは、と思っていました。ですが、このバイラルの仕組はかなり強力そうです。


さらには自分の作るサークル次第で友達候補が変わってくるので、知らない人とでも興味嗜好に併せた繋がりが作れてしまいます。Facebookが実際の知り合いを元に出来上がっていくソーシャルネットワークであるのに対し、Google+は、実際の知り合いはもちろん、やろうと思えば自分の興味嗜好の範囲でどこまででも繋がっていける、自由度の高いソーシャルネットワークともなりそうです。


いやむしろ興味関心のある人との繋がりを作っていった方が、検索結果に表示される+1がキュレーション的な役割を果たし「友達がオススメする情報」から「この分野で信頼する人がオススメしている情報」へと変化して、さらに便利になっていくのかもしれない。Googleは人と人との関係だけでなく、興味関心ごとまで整理しに来たのか、と思いました。


僕はTwitterは情報収集、Facebookは友達といいね!をつけあって喜び、mixiは趣味のコミュニティの情報を得るツールとして使い分けしていますが、Google+は全てでき得る。各サービスのいいところ取りのサービスのように感じました。


では企業がコラボレーションツールとして使うには?相手がどのサークルで発言しているか分からない、一般共有と限定共有の公開設定の色が似通っているなど、色々な問題があります。
ただ個人が使う限りでは、とても自由度が高く、今後どのように発展していくかはかなりわくわくしています。どれだけ参加するユーザーが増えるか次第ですが、結構盛り上がりそうに思います。

人生で大切な事はベースから学んだ、はずがない

島村楽器のお題


島村楽器さんの「楽器に関する思い出」というお題に答えて。思い出というか、今も弾いています。ベース。
かれこれ16年か。年数で言えば自分の人生の半分以上は弾いている計算になります。でも特になんにも学んでいませんよ。


音楽を始めとした芸術活動に携わることは人生を豊かにする、みたいな話を聞くこともあります。
が、僕は中途半端に音楽なんかに関わってしまうと、世間一般的な幸せを得ることは出来ないんじゃないかと思います。
音楽に関わることで色々余計なことばかり考えすぎて、鬱々としていた苦しい時期もあったし、継続的に多くの時間を音楽に費やしたことで、それだけ自分にあったかもしれない可能性を潰してしまったのではないだろうかと思うのです。


あーベースさえ弾いていなければ、今頃家族で東京ディズニーランドにでもいって
少しくらいの仕事に満足して腰掛けてような生活もできたんじゃないだろうか。
今では、30歳にもなって山口県の中原中也記念館に一人旅に行って喜んでいる、
挙句の果てにはうまい棒なんか食べて喜んでいるのだから本当にどうしようもない。
過去に一人で渋谷の汚いバーに行ってギターを弾きながら「このペテン師どもめ」と歌ってみた黒歴史もありましたが、本当にどうしようもないのでベースの話をしよう。


そんなこと言いながらも、ずっとベースを弾いてきたことで、少しずつですが自分の理想とするベースの音が出せ、自分なりのフレーズが思いつくようになり、そして自分なりのグルーヴが生み出せるようになってきました。


もともと僕には、音楽の才能はありませんでした。
小学生の頃は大体全てが嫌いでしたが、特に音楽の授業なんて大嫌いで憂鬱でした。
音楽やったキッカケなんて、そうすることで何かが変わるんじゃないか(モテるんじゃないか)、そんなもんでした。


でも長く続けることで、身につく能力もあるというのが、僕の得た一つの真理です。
思い返せば「あれ?オレのベース、ちょっと自分らしくなってきた?」と思うまでに10年かかってました。
それまでずっと、理想とする音はあるのに、それを一切体現出来ていないという悔しさで一杯でした。


今ではおかげさまで、インディーズでCD出せるくらいの成果は出すことができました。
だからその分だけ、何らかの能力を得るには継続的にずっと努力しなければならないので、人生で他に出来ることなんてそんなにないよなあとも思うわけです。
「効率的に近道通って何かが達成出来ます」なんて、そんな美味い話があるわけねーよとも思います。


若い頃は自分って何者なんだろう?とありがちな自意識過剰さで一杯でした。結局自分が何者かなんて一生わからないんですけど。
今でも毎日のように、世の中くだらねえなーとか厨二なことも思っていますが、その分だけ、まあ僕には音楽があるしとも思ってます。


仕事で落ち込むことがあっても、女の子にモテなくても、さよならばっかり言ってても、
許せない事件を目にしても、痛ましい震災が起きても、どうしようもなくたくさんの悲しいことがあったとしても、
最終的に音楽が大好きでベースを弾いているオレはこう思っているぜーという、ある種一つの信念のような軸のような、
いつでも立ち戻れる場所が出来たように思えます。そうか、結局はたくさん取り返したのかな。

石巻のボランティアに参加して

ゴールデンウィーク最初の二日間、石巻にボランティアに行って来ました。

こういうことは声高々に言うものではないと思いつつ、出発前に罪山さんのブログを読んで、雰囲気がかなり分かったこともあり、伝えることの方が大事なのでは?という思いで書きます。

「俺の邪悪なメモ」跡地


このエントリーでは、僕のような一般人が普通にボランティアに行って何をやったのか?どう思ったのか?という話を書きます。そして、ゴールデンウィークで一部ボランティアの受け入れ中止とあるけど、僕なりに理解したその背景、あとはどうすればこの致命的なマンパワー不足を解消できるのか、などなど見たこと聞いたこと思ったことを。

ボランティアツアーへの参加

公式な団体のツアー(東京都主催など)ではなく、先日の都知事選に出馬した谷山ゆうじろうさんが音頭を取って、彼の知り合いを中心にした、男女含めての計24人で行ってきました。彼は4月にも石巻を訪れており、その時に圧倒的なマンパワーの不足を感じたことから、今回のツアーを計画してくれました。僕は彼と面識はありませんでしたが、僕の友人がFacebookでこのツアーに参加する、と書き込んでいたのを見て、その友人経由で参加を申し込みました。


こちらは谷山ゆうじろうさんが4月にボランティアをしたときのエントリーです。
BEER LOVE DREAM


ちなみに都知事に出馬したなどと言うと仰々しいですが、とても気さくで当然ながらリーダーシップもあり、周りの空気を明るく変えてくれるいい男でした!普段は下ネタばっか言ってますけどね。まあそれはいいや。

スケジュールは28日(木)の夜に東京をバスで出発し、29日朝の石巻到着の後に活動、そしてボランティアセンターにテントを張って就寝、30日は活動後、その夜東京へ向けて戻るという、計二日間のボランティア活動でした。ちなみにボランティア活動は夕方16時までに終了させる決まりです。

ボランティア活動の中で、見たもの、聞いたもの

まず、東京からボランティアセンターのある石巻専修大学に着くまで、テレビで見るような瓦礫の山は無く、ほぼ普通の光景が広がっていました。どうしてもテレビで衝撃的な映像ばかり見ていたせいで、東北全てが大きな瓦礫と化したようにも思えてしまいますが、石巻でも場所によってダメージが全然違います。ただ時折、自衛隊の緊急車両、瓦礫を積んだトラックが通ります。

石巻ボランティアセンターで、当日の活動場所に振り分けられます。この日は4名くらいが他のボランティアの方の車に同乗して活動、他20名はまとめてバスで移動しました。このバスで活動場所に向かう中で、チラホラと被害にあった街並みが見えてきました。

中には冷蔵庫だけが捨てられている廃棄場も。。。石巻市の周りだけ?でこれだけの冷蔵庫の戸数が被害に。。。(しかもまだ回収出来ていない冷蔵庫もたくさん)


一日目はドブさらいをしました。地味な作業ですが、これをやらないといつまでも臭いまま、さらに不衛生による病気の蔓延に繋がる他、何よりも下水が使えない。ドブの中にはヘドロが詰まっています。側道の石をどかし、ひたすらヘドロの除去。それを土嚢袋に詰めて捨てる。力仕事です。この場所には僕ら以外のボランティアの方もやってきており、外国人のグループもいらっしゃいました。本当にありがたいことです。

で、3〜40人くらいで、三つの通りの側道、計6本が完了。ちょうどこの日からドブさらい開始のようでした。石巻市でどれだけの側道があり、全被災地でどれだけの側道があるのかと考えると気が遠くなります。。。夏前には完了させないとひどい事になるでしょうし。


二日目は、10人ずつのグループに分かれ、それぞれ一戸建ての泥掃除でした。泥掃除にも色々あり、家の中に入り込んだ泥の掃除、家具の洗浄などもありますが、この日は大工さんが全て剥がしてくれた床板の下に溜まっていた泥、というかヘドロの除去。あとは廃車をどかしたり、庭掃除などなど。ちなみに活動中は撮影していないので、写真はありません。
このご家族の方が近くのスーパーからお昼の弁当を買ってきてくださったりしました。大変感謝されました。僕らは一万個くらい抱えられていらっしゃる問題の、せいぜい一、二個を手伝ったにすぎないのに。。。10人がかりで一日掛けて一軒の泥掃除が完了です。前述したように、泥掃除も何日かの作業に分けなければなりません。これも、全被災地でどれだけあるかと考えると。。。。ちなみにこの家では、当日ガス業者が来ており、この日にやっとお湯が出ました。やったー。それまでのお風呂は、近くに自衛隊が設置してくれた浴場に入っていらっしゃったそうです。ずっと第一線で活動し、疲れているはずなのに笑顔で「ご苦労様」などと言ってくれる自衛隊の方には頭が下がります。

その他町の様子

物資が無いかも、と思っておりましたが、スーパーは開店しており、商品も揃っていました。それどころか東京よりも物価は安いです。ただ、一週間前にオープンしたとのこと。

このキレイなスーパーの一歩先がゴーストタウン。自衛隊以外、とても活動出来ないような場でした。なんというか、、、言葉も出ませんでした。この辺りでボランティアが活動できるのはいつになることでしょう。さらにこの辺りには、窃盗団が出没するという噂を地元の人から聞きました。

ボランティアセンター

石巻専修大学内に設置されていました。夜はここにテントを貼って寝ます。

このボランティアセンターの中を除いたところ、朝早くから夜まで電話なりっぱなしのようです。見る限り鳴っていない電話機は無かった。みんな必死で働いていらっしゃいます。市と連携し、毎日被災地の状況把握、当日の人員配置、ボランティアセンターのケア(ボランティアセンターの水、トイレ。。。などボランティアも世話を受ける立場です)活動のリーダーシップ、電話対応、物資の受け取りと配布、、、山積みです。でも皆さん明るく従事されていました。

ちなみに物資は倉庫に山積みになっていました。足りていないのは、泥を入れる土嚢袋だそうです。確かに一戸建ての掃除の時には、土嚢袋を500袋渡されました。それは足りないわ。。。

ゴールデンウィークの受け入れ拒否

幾つかの自治体がゴールデンウィークのボランディア新規受入を拒否したとのニュースが流れました。人員が足りないのを承知の上での、苦渋の決断だと思います。当日の活動場所ですが、まず車を持ってるボランティアの方から配置していきます。車を持っていないボランティア参加者は、車に空席があった場合にそこに同乗させてもらいます。僕らは人数が多かったので、バスを呼んでくれました。このバスも普段は通学用に使っているとのことでしたので、おそらく当日の人数を見て呼んでくれているのではないかと。

そのようにして幾つかのグループを作り、その中でリーダーを決めてもらい、リーダーが当日の作業の指示を受けます。そうすると、2,3人のグループで車を持たない人がたくさん行っても、単純に足が無いために断ることになってしまいます。また少人数のグループばかりで構成されると、リーダーシップを取りづらくなるのでは?と思います。戸建ての掃除で、住人の方の指示を仰ぐわけにもいきませんし。


ただ、繰り返しますがマンパワーは圧倒的に足りないと思いました。あれだけの人数でも全体に比べればわずかな区間のどぶさらい、一日一戸くらいの清掃、さらにまだとてもボランティアが入らない地域もある。かなり復興していると聞いている石巻で、気が遠くなるほどの作業が待っていました。そしたら、他の地域はいったいどうなんだよ。。一方、ゴールデンウィークが終わった後、普段の生活が待っているため、何とかしたいという気持はあっても、そうそう参加は出来ないと思います。

今後の復興のために

多くの人が(他人事のように言ってますが、当然僕も含め)、気持はあるけれども中々ボランティアには行けません。仕事、お金、当日の足、準備などなど。被災地には手を動かすマンパワーと、ボランティアセンターのパンクを防ぐマンパワー(準備含む)が求められています。これらを解決するには、被災地まで行きやすい生活環境、交通手段、さらにはボランティアセンターの負担を軽減出来るよう、予めリーダーを用意するなど、協力しやすい体制がよりベターになります。

でも、僕には大した解決策は思いつきません。。。旅行会社にツアーを組んでもらう、企業や大学に奨励してもらう(強制は絶対に良くないですが)、くらいでしょうか。せめて、もうちょっと気軽に一泊二日で観光がてらボランティアが出来る、くらいのハードルであれば、解決できるのかもしれませんが。。。東京で経済を回すのも復興への協力、と頭で理解しているのですが、想像以上にマンパワーが足りない現実を見てしまうと、何とかならないものかと思います。


いずれにせよ、旗振りが必要です。僕らは、谷山さんがリーダーになり、旗を降ってくれたおかげで参加できました。彼もエロいギャグを言ったりしているだけではありません。とてもクレバーな熱い男でした。まあ大貧民はだいたい僕の方が勝ったけど。とにかく、何とか機会を見つけて、またお手伝いに伺いたいと思います。



最後に、不謹慎と思われるかもしれませんが、仲間と参加して楽しかったです。適当な赤と白のジャージ来て行ったら、「ウルトラ」とか「セブン」とか変なあだ名つけられちまったし。なんか外国人のグループともうなずきあったりしたし。最終的にFacebookの友達申請会も始まったし。まあ神妙な顔して泥掃除してもしょうがない、どうせなら明るくやった方がいいです。泥掃除の休憩中、谷山さんが中心になって馬鹿話してくれて、ご家族の方もたくさん笑ってくれました。他にも、たくさんの地元の方が「ありがとう」「ごくろうさま」と声を掛けてくれました。
出来ることはわずかしかないけれど。自己満足が混ざっているのかもしれないけれど。せめて「東京から若い人が手伝いにやってきた」とでも元気を出してくれれば。そんな気持です。

CPCとCPAの限界

先日のエントリーが、少しブックマークを集めたので、解析で入れているGoogleAnalyticsを見たところ、予想通りと言えば予想通りですが、やはり次第にソーシャルメディアが力を持ってきているな!と改めて思いました。

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これを見ると、検索経由の流入よりも、twitterFacebookはてブの3つを併せたクチコミ経由の方が上回っています。directの中には、おそらくスマートフォンTwitterクライアント経由も含まれていると思いますので、一番の流入元はTwitterかも。そもそもが更新を怠けている他、検索にひっかかるようなタイトルでブログ書いていなかったりしますし、そりゃ検索経由の流入があるわけ無いですオレもっと頑張れ。ちゃんと更新しているサイトであれば、当然検索経由の流入の方が、遥かに多く、しかも安定的にあるはずですね。とはいえ、僕のブログはしばらくはクチコミ経由の流入が多くを占めるでしょう。


で最近、媒体におけるCPCとCPAという指標は、必ず通用するものではなくなってきたな、と思います。どういうことかというと、CPC・CPAとは、特定の媒体でユーザーが広告をクリックしてからクライアントサイトに訪問し、購入などのKPI指標を達成するまで、にて登場する指標です。バナーによって認知はしたけどクリックしなかった場合、広告の価格に対してCPCが高くなりますし、クリックだけしてサイトから出て行った場合、費用対効果が悪化=CPAが悪くなります。


でも、例えばはてなブックマークをどこかの企業・商材がジャックしました!という場合、何かの広告をクリックするかといえば、必ずしもしないと思います。ただ(もちろんクリエイティブ次第とはいえ)、ユーザーの記憶にはとどまり、後々の検索行動、tweet、ブックマーク、いいね!などの効果に影響はあるでしょう。


そうすると、これらの効果ははてなの広告によるCPCでも無いですし、間接効果的に、はてな外の広告を踏んでのCPCでも無いですし、つまりはCPAになる訳もありません。


はてな損だね!が言いたいわけではないです。いやもちろん損ですけど、他の媒体も含めての話です。ソーシャルメディアは様々なWEBサイトを横串にしていくので、ソーシャルメディア上での動きが活発化すればするほど、媒体単独で完結する指標が通用しなくなってきます。今後は広告による効果を、CPCではなく、インターネット上、主にソーシャルメディア上での人の動きを作るものかどうか、という観点も加えて見る必要性が増してきている、ということです。


じゃあどうやって測るか?まだ明確な回答はありません。回答はないですが、少しずつ自然検索とソーシャルメディア経由ではユーザーの行動に違いはあるか?といったデータも出始めてきています。

ソーシャルメディア対応とSEOはどちらが価値があるのか? マーケチャネルとして比較分析してみた | Web担当者Forum

今のうちにソーシャルメディアによる効果を広告プランの中に想定しておくことが必要だと思います。そうでないと、本当に効果の最大化を狙えるプランを逃し、いかに短期的に目に見えるクリックを集めるかに終始してしまうのではないでしょうか。

ソーシャルメディア時代の音楽プロモーション、その一つの方法

僕ははてなの広告営業もやりつつ、YOUNG TONGUEというバンドでベースを弾いています。そのバンドではabcdefg recordという名古屋のレーベルから、何枚かCDも出ています。で、先日3月3日に、YOUNG TONGUEの新曲がリリースされました。abcdefg recordがP+M magazineという無料電子書籍を発刊しており、コンピレーションの形でMP3も何曲かついてくるのですが、このP+M magazine 4号目に参加させていただきました。



こちらのブログでは、バンドの宣伝を、いやいや間違えたP+M magazineのプロモーション方法が面白いものだったので、そちらを少しご紹介します。尚これから偉そうに語りますが、僕はこのレーベルの運営者ではありません。あ、新曲についての話はヤングタンのブログで書いています。


P+M Magazine 04にヤングタンの新曲 - youngtonguebass(ヤングタンのベース)の日記



このP+M magazineは、雑誌と音楽で成り立っています。この雑誌のコンテンツ、収録音源は様々な人達が作っています。自由に手を上げた方が参加できます。まあ曲については何でもかんでもという訳にはいかないでしょうが。ただ雑誌箇所では、多くを写真が締めています。

この雑誌のために結成された写真部が毎回いろんなところに行っているのですが、今回の4号では「参加したい!」と手を上げた有志が16名。16名による写真が含まれています。そして写真の他にコラム箇所もあります。写真部や音楽コンピ参加メンバーとかぶりつつも、複数の方がコラムを書いています。そして、音楽。今回の4号では計12曲、つまり12バンドが参加。国内外問わずの12バンドです。日本のバンドは3つなので、海外のバンドの方が多いです。で、バンドメンバーって複数居ます。つまり、レーベルの人間含め、国内外の数十人規模の方が参加している雑誌兼音楽コンピです。


動画による紹介もあります。


で、このような形態だと何が起きるか。


このP+M magazineがリリースされた際に、数十人規模が自ら「僕が手伝った電子書籍マガジンだよ!」とブログやTwitterFacebookでプロモーションをします。インディーズバンドが単体でプロモーションするのとは、規模が違います。さらに、海外の人も参加しているので、海外でもプロモーションされることになります。結果、これまで計2回発刊(1号と2号は同発)されていたのですが、世界中で3万ダウンロードを突破しています。


この3万が多いか少ないか?最近では週1万枚売れたらオリコンでベスト10にチャートインしますからね。。とはいえ無料なので、比較対象として適切ではありません。iPadZineと比較するのも何か違いますし。ただ、WEBサービスに関わる一人の人間として、結構多いダウンロード数だなと思いました。


内輪受けじゃん、クオリティってどうなの?と思われる方もいるかもしれません。もちろんクオリティの高い低いの判断は人それぞれです。ただ、これまでabcdefg recordが運営してきた、レーベルとしての雰囲気・場のようなものに沿って発信されたものです。ど素人がパッと作ったものではなく、背景に歴史とコミュニティが存在するものです。


何より、全員がwin-winなんですね。写真部として参加された方も「自分の写真が広まっていった!」と喜びますし、参加バンドも「自分のバンドの曲がたくさんの人に聴かれることになった!」と。そこで名が売れれば、CDやグッズが売れて収益にもなります。ライブにお客さんが増えるかも(まあそう簡単に増えないけど)。レーベル側も所属アーティストのCDが売れれば収益になります。何より、電子書籍を作るノウハウ、人を集めるノウハウ、国内外のバンドを集めコンピを作るノウハウ、どこもやっていないノウハウを得ることが出来るのが最も大きいでしょう。代えがたいノウハウは大きな価値なので、いかようにも展開できます。


こんな風に、「あのレーベルならこんな音楽が聴ける」と信頼され出来上がったコミュニティを中心に、ブログやTwitterFacebookでプラスなエネルギーをもって評判が拡散していく。これからの音楽レーベルの一つのあり方かな、と思いました。



他にもiPadの活用法、シェア、コミュニティ、海外へのサービス展開、、、様々な切り口で、面白いコンテンツだと思います。色々ビジネスへのヒントも転がっているでしょうが、何よりみんなで楽しい物を作ってみんなで広めて楽しんでもらえる、そんなことを実行出来る時代がやってきたこと、それを身近なプライベートでも感じるようになった事が、感慨深いです。というわけで、ぜひダウンロードしてみてください(繰り返しますが、これは宣伝ではなく、プロモーション方法の紹介ですよ!)

カメラ女子・カメラ男子の写真&音楽マガジン「P+M magazine」

代理店から媒体に来て一年

SEM広告代理店からはてなに来て、大体一年が経ちました。以前は代理店という立場で広告営業をしていましたが、今は媒体の広告営業という立場に変わりました。振り返りの意味も込めて、意識の変化を書いておきたいと思います。


大きく変わったなあ、と思うのは、WEBでの人の動きを「数値で見る」ことから、数値では図れない「感情の動き」を見ようとするようになった事です。「数値が上がる」のが最も良いことから「人に楽しんでもらったこと」が最も良いことに変わりました。


SEM代理店時代は、CTR0.1%上がった!CPA¥100下がった!という事で一喜一憂していました。クライアントの満足度を最大限達成するためにも、媒体のCTRやCVRが悪かったりすると、「媒体ふざけんな、もっとちゃんと誘導しろよ」と思っていました。


今はどれだけ誘導できたかよりも、ある広告主をはてなユーザーに紹介する場を作って、その場でどれだけユーザーに楽しんでもらえたか(それによって、ユーザーに広告主を好きになってもらえたか)、をどう達成すべきか、といつも考えています。


一年前は「いやいや誘導です。どれだけ商品買ってくれたか、それが全てでしょう」と思っていたものが「誘導も大事ですけど、一人一人のユーザーにしっかり深く楽しんでもらいましょう、評判をさらに上げましょう」に変わっていきました。まあ行動が違うとはいえ、商品を買ってもらうのも、商品を好きになってもらうのも、ゴールはかなり近しいはずです。


所詮広告って嫌われ者なんだから、ユーザーの眼に触れるところに出ていって(例えば媒体)、こんなに面白い物ありますよちょっと見てくださいと、バナーなりコンテンツなりで楽しさをむしろへりくだって提供するものだと思ってます。
でもなんだか、マーケティング2.0で消費者主体と言われていたにも関わらず、世にある広告が、ユーザーをいかにして誘導して購入させるか、時にはむりやり誘導してしまえ、と考えられているようにも思えてしまいます。うーん、マーケティング3.0まで中々遠い。


色々書きましたが、SEM広告代理店時代に考えていたことが間違っていたとは思いません。クライアントのことを必死で想っていた訳ですし。今は媒体営業として「ユーザーに楽しんでもらう」という要素が入り込んできただけです。今ははてなで、クライアントとユーザー、両方の満足度を高めて、皆が喜んでくれる場を広告として達成していくのが僕の仕事だ!というのが一年経って思ったことです。やっとかよ!遅え!でも、こういったユーザーを向くことは媒体営業をやらなければ持ちにくい視点かもしれません。


とまあこんな事を思ったキッカケは、最近の「皆がFacebook使ってくれれば広告プラットフォームも出来上がっているし、分かりやすくて楽。mixi使ってる情弱ユーザー、早くFacebookに移行しないかしらウフフ」という風潮に苛立っていたからです。皆それぞれの場で楽しんでるのに、なぜしたり顔でそんなことを言ってしまうのだろう。せめてそう思ってても、そういう事は口に出さないほうがいいと思いますよ!はてなでお手伝いできるなら、お手伝いしますので!