はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなビジネス開発本部 営業部 部長の高野です

株式会社はてなを退職します

2017年3月31日をもって、はてなを退職いたします。昨日、3月28日が最終出社日となりました。

はてなには7年1ヶ月在職しました。社内外でたくさんの人達にお会いして、たくさんの人達に育ててもらいました。みなさま、本当にありがとうございました。

 

退職する理由は一言で言うことが難しく、理由を聞かれても「上場から1年経ったから」だとか「新たなチャレンジをしたくなったから」だとか、手短な言葉でお伝えしていました。

ここではもう少し、しっかりと説明させていただきます。予めお伝えしますが、長いので読んでくださる方はご了承下さいませ。あと、少しエモーショナルです。

 

はてなでは、営業部、そして広告事業の立ち上げに近い仕事を任せてもらいました。とはいえゼロから立ち上げたのではなく、すでに先人たちが作ってくれた土台があり、それを伸ばしていく役割でした。

 

そうしているうちに、はてなも順調に売上を伸ばすことができ、営業部も本日時点で総勢17名の組織になりました。はてなに入った当初は、営業部どころか中目黒オフィスに僕ともう一名しかいないこともあったのですが、とても大きくなりました。それだけの部の部長を担わせてもらい、光栄でした。多くのお客様にも、お礼を申し上げます。

 

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/h/hatenabusiness/20160729/20160729152226.jpg

写真ははてな東京本店に行ってきた! - 941::blogよりお借りしました。

 

携わったことは、このブログで1年ごとに書いてきましたし、いくつかの外部メディアでご取材していただいたこともありました。営業部のブログで歴史を振り返ったこともありましたので、ご興味のある方はこちらもご覧くださいませ。

はてな営業部の歴史を振り返ってみる - はてなビジネスブログ

 

僕自身のことを振り返ってみると、僕ははてなに入ってから幸せになっていったんだな、と思います。

はてなに入る少し前は、この世界なんか燃えてしまえくらいの気持ちさえ持っていました(笑)。不条理や軋轢に苦しんでいる人ばかりじゃないですか。だったらいっそのこと燃えちまえという感じです。

ですが、ちょうど7年前の前職を退職するタイミングくらいに、友達が結構いたことに気付きました。インディーズながらもバンドでCDも出すことができましたし、それから結婚もして子どもも産まれ、仕事でもいいお客様に恵まれて売上が伸び部長職につきました。会社も上場しました。これは客観的に見ても、とても幸せな人生なんだと思います。きっと。

 

勝手なもので、子どもが産まれることがわかってからは、「世界が燃えたら困る、この子のために少しでも世界を良くしておきたい」と思うようになりました。

 

それから少しずつ自分に変化が生じていきました。子育てについて調べることに端を発して、次第に子どもの貧困をどうにかできないかと思うようになりました。そこから、女性の働き方にも興味が出てきました。仕事でも携わる方法はないかと調べていたことが、アイデム様とのオウンドメディア「りっすん」の立ち上げに繋がりました。

はたらく女性の深呼吸マガジン「りっすん」

そんなふうに、社会貢献に関わる仕事に興味が出てまいりました。

 

ですが自分自身が、社会貢献を本業にして取り組んでいくタイプの人間でもないと思っています。得てきたスキルも違います。そもそもはてなも良い会社ですし、誰かを楽しませたり元気づけたりする情報を発信できます。より一層働きやすい会社にして、事業を伸ばして雇用を増やしていくことだってできます。だから、ここではまだ転職という気持ちにはなりませんでした。

 

しかし昨年末、ショックな出来事が続きました。キュレーションメディアの件が世間を騒がせ、さらにはほぼ同じ時期にアメリカ大統領選に伴うフェイクニュースが話題になりました。

頭をよぎったのは、6,7年前に、中国で日系企業の工場が破壊される暴動が起きた時のことです。僕のFacebookには比較的リベラルな発言をする友人が多いと思っていましたが、当時のタイムラインは、中国へのヘイトでいっぱいになりました。このままいけば戦争になってしまうのでは、という気持ちになりました。この時のショックは忘れられません。世の中は、誤解やデマやマイナスの感情によって、簡単にムードが変わっていくという怖さを感じました。

 

しかし無邪気にも、フィルターバブルにおける議論や、検索エンジンの精度の向上などの性善説的な側面が、少しずつインターネットを改善していき、それに合わせて世界も良くなっていくものだと思っていました。けれどもそれは奢りでしかなく、全くそんなことはなかった。

 

改めて、正しい情報とは何なのか、情報が届くべき人に正しく伝わるとはどういうことか、を考えるようになりました。この時、自分が思っていた社会貢献への気持ちが、違った仕事への興味に結びつきました。

 

 

そしてこれからですが、4月からスマートニュース社で勤務いたします。

情報が正しく伝わるかどうかであれば、はてなにも、はてなブックマークという情報を届けるサービスがあります。はてブのコメントを合わせて見ることで、コンテンツの信頼性を確かめることもできます。

ブロガーさんに会う機会も多く、「はてなのサービスで人生が変わりました」と御礼を言ってくださることもありました。僕が作ったわけではないのに。その度にすごいサービスで、すごい会社だな、と思っていました。

 

そんなはてなは、どちらかといえば文化的なコンテンツが出来上がっていく場だと思っています。一方で自分の関心は、さらにシリアスな方向へ向かうようになっていきました。そして、もう少し違った形で情報発信について向き合いたくなっていきました。

 

ではスマートニュースの向き合い方はどうなのかです。

スマートニュースの方とお会いした時に、「トランプを支持するコンテンツ、ヒラリーを支持するコンテンツ、双方のコンテンツを偏りなく掲載するようなアルゴリズムによって、ユーザーに判断してもらう場にすることを目指していきたい」と仰っていました。そして、ミッションである「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ことをやっていきたい、と。

正直、そんな難しいことができるの?と思いました。でも、その難しいことを考え抜いて目指していくというお話に「それに乗りたいな」と思いました。

そしてスマートニュースでは、ATLAS Programという活動も行っております。

atlas.smartnews.com

それが、自分の考えるモードと合ったというのが理由です。

元々、壁と卵があった時、ぶつかって割れる卵の側に立ちたいと思って生きていました。この転職は人によって見え方は違うかもしれませんが、会社が目指すものも自分の仕事も、スマートニュースに行くほうがより卵の側に立てると思いました。

 

職種としては、変わらず広告営業です。ただ、売り方も振る舞いもまたモードをチェンジした、一からに近いチャレンジになると思ってます。スキル的には出直しです。いずれにせよ自分がビジネスに携わることで、人のためになるサービスを開発して欲しいという気持ちははてなにいる時と同じです。

 

 

はてなとスマートニュース、どちらの会社がより人のためになるのか、優劣はありません。さらに言えば、この2社以外にも人のためになる会社はたくさんあります。ただ、自分がもう37歳になり、決断できる機会は少なくなってきました。はてなが上場して1年経ったタイミングで、自分が興味を持つ分野で新しいチャレンジをしたいというわがままを言わせていただきました。

 

 

とはいえ、とても悩みました。はてなで今いるメンバーや事業の成長を目指して働くか、自分がやりたいことをやるか。転職にあたってのメリット・デメリットを考えていった先に、最後はこの二択になりました。

はてなは楽しく働きやすく、最高のメンバー、最高のクライアントに恵まれていて、事業も順調に伸びていきました。居心地もいい一方で、まだまだできることはたくさんあります。マネジメントの面白さにも気づかせてもらいました。自分が採用したメンバーもおりますし、提案にのってくださったクライアント様もおります。今回の僕の転職によって裏切られた気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。正直、転職の決断をした後だって、はてなのメンバーに後ろ髪を引かれない日はありません。

 

ですが悩んで悩んで最終的に、自分の娘に見せたい姿は後者の姿だと思い、このような判断をさせていただきました。わがままを言ってすみません。

 

はてなの今後ですが、営業部長は大久保という者が担当します。売上が伸びていて、かつそれぞれ専門知識が必要とされるネイティブ広告、CMS、記事制作それぞれのメニューにマネージャーがつきます。僕を除いた16名で活発に議論しながら取り組んでおり、はてなのコンテンツマーケティングサービスが次のステージに進んでいます。

半年ごとの評価期間も楽しかったです。みんな勝手にどんどん成長してくれるので、そんな姿を半年ごとに振り返り、次はどういう機会を提示したら喜んでもらえるか、単に楽しくやっていました。あまりにみんなが優秀で、自分の力で事業を成長させたとは思えませんでした。そんな個性的なメンバーばかりですごいです。ぜひはてなにお問い合わせください。

 

今でも変わらず、はてなブログはてなブックマークも大好きです。はてなのサービスで人生が変わったと言われた」と冒頭で書きましたが、一番変わったのは俺かもしれません。はてなは頭の良い人達ばかりだし、ユーザーやサービス、技術を愛する人たちばかりで、その上親身に寄り添ってくれる人も多く、本当に驚いたし、自分はどうなんだと省みることばかりでした。

 

30歳で入社して、現在37歳にして何を言うのかと思われるかもしれませんが、はてなは僕の青春でした。退職を決めてから一度京都に出張しました。翌日の土曜日に、丘の上から京都の盆地を見下ろして、そう思いました。自分の過去と人生と仕事がリンクして、それから俺は一つの素敵な時代を終わらせたのだと思いました。

 

はてなのみなさま、本当にありがとうございました。特に営業部のメンバー、本当にありがとう。送別会の場で僕に感謝の気持ちを言ってくれましたが、僕からすればみんなのおかげで頑張ってこれました。

みなさま、またどこかでお会いするしれません。その時は、またどうぞ宜しくお願い致します。

f:id:mtakano:20170329213553g:plain