映画「ソーシャルネットワーク」観てきました
映画「ソーシャルネットワーク」の試写会に行ってきました。すげえ面白かったです。
そもそも監督が「セブン」「ファイトクラブ」、最近では「ベンジャミン・バトン」のディヴィッド・フィンチャー、サントラを元ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー先生が担当している時点で期待大で、お金払って絶対に観に行こうと思ってた映画でした。もちろんFacebookという題材も、仕事柄捨ておけません。色々感想を書きたいところですが、一般公開前ですし、内容にはあまり触れないようにします。
ただ、こちらのブロガーさんの書かれたエントリーを読んでから観た方が100倍楽しめます。
映画「ソーシャル・ネットワーク」を見る前に予習をおすすめするものたち - インターネットもぐもぐ
しかし、なぜデヴィッド・フィンチャー監督がFacebookをネタに映画にしたのか?あんなにダークなタッチの、サスペンス映画を主に撮影してた人が?という意見も聞かれます。
「も、もしかして金に負けたのか?」いや、観て思いましたが、デヴィッド・フィンチャーはデヴィッド・フィンチャーでした。
偶然かもしれませんが、彼は「セブン」「ファイトクラブ」「ゾディアック」と、一作品ごとに2人の男性を主人公に、光と影のような人物を据え置いて映画を撮っているように思えます。世の中の大抵の作品がそうであるように、お互いに追いかけあったりするうちに、この光と影の部分は曖昧になります。薄っぺらな言い方をしてしまえば、こうした関係性を描くことで、本来多面的でデコボコした人間の心、人間の姿を描いているのでは、ということです。
とりあえず「エイリアン3」は無かった事にして、これらを奇数作、そして「ゲーム」「パニックルーム」「ベンジャミン・バトン」を偶数作と呼んでみます。そうすると、奇数作の方がデヴィッド・フィンチャーらしい人間の清濁のカオスを描く作品で、偶数作の方がもっとストーリーに凝ったドラマ的な作品に見えてきます。
で、今回はマーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サヴェリンをその奇数作パターンで描いたのかというと、いやちょっと違いました。マーク・ザッカーバーグと、ソーシャルネットワークFacebook(Facebookにリアルに仕事として関わる人から、ネットのFacebook内で関係を築く人たちまで)として描いたのかな、と思いました。これまで描いてきた2人の主人公の関係、これをもっと拡大して大きなものに、さらに「今」のアメリカでリアルタイムに進行する大きなものとして描くなら、Facebookは題材としてうってつけです。
よくあるサクセスストーリーにも出来るのにそうしなかった。「geekがリア充に勝った!」とか「悔しさをバネに成功した!やればできるよね!」とか「天才の苦悩と努力!」とか「会いたくて会いたくて震える!」とか、ありきたりでくだらないよくある無難な映画に出来るのにそうしなかったわけです。
そうしなかった「ソーシャルネットワーク」、面白かったです。
しかし「ゾディアック」で過去のアメリカを切り取り、「ベンジャミン・バトン」でアメリカの歴史を描き、「ソーシャルネットワーク」は今のアメリカを描いたので、今後はどんな作品を作ってくれるのでしょうか。もう期待してしまいます。
もう一つ、わずかにDead Kennedysというアメリカ西海岸の80年代ハードコアパンクバンドの曲が流れたことに、非常に興奮してしまいました。3秒程度でしたが。デッケネだ!デッケネだっ!
いやー面白かった。良かった。つまりこのブログの内容を一言で言うなら「デヴィッド・フィンチャー大好き。面白かった!」です。
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