元はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなビジネス開発本部 営業部 部長の高野です

Google Insight for Searchの精度が上がった?

先日、こちらのブログにて、Google Insight for Searchの「転職」「求人」グラフを比較しました。


Google Insight for Searchの「転職」「求人」グラフの比較から見えてくること - mtakanoの日記


結論としては、不景気にともなって「求人」というキーワードで検索するユーザーが増加しており、似たようなキーワードでもモチベーションが違いますねー不景気嫌ですねーという事でした。
前回、もう一つ書きたかったことをアップします。今回のテーマは、Google Insight for Searchの精度が上がったのではないか?という事です。


まず、前回のエントリーで「求人」と「不景気」を紐付けました。ですが、必ずしも「求人」での検索が後ろ向きな訳ではありません。例えば看護師さんが、勤めている病院を変えたい時。職場を変えることも「転職」ですが、そうはいっても職を変えるわけではないので、「看護師 求人」で検索する方が自然かと思います。何かしらの資格を持っている方は、「転職」ではなく「求人」で検索するのでは無いかと思います。(「求人」どころか、もっと意外なキーワードかも。。。)


ちなみに、下記が「看護師 転職」「看護師 求人」の検索ボリュームのグラフです。

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ですが、半年ほど前に、Google Insight for Searchで「看護師求人」「看護師転職」を叩いてみたとき、現在とは違ったデータが出てきました。今でこそ「看護師求人」の方が定常的に検索数が多いというグラフになっていますが、当時には2009年春頃から「看護師転職」の検索数が急激に伸びる、というグラフでした(キャプチャーとっておけばよかったぜ)。


まあ色々とありまして、この時期から看護師の人材紹介に参入する会社が多くなったんですね。その結果、下記のようなグラフになりました。


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おそらくは、SEMに関わる広告主・代理店が情報収集のために検索していたのではないかと。。。市場に起きた変化は事業に参入する会社が増えただけで、それですぐに転職する看護師さんが増えたという話は聞かないですし。Google Insight for Searchで「求人」の方が検索数が多いとはいえ、人材紹介関連がSEMで獲得を狙うビッグキーワードは「転職」なので、その観念に従い、皆さん「看護師 転職」で検索したのでしょう。


とはいえ、Google Insight for Searchのグラフが変わった、というのはおかしいです。検索数値というのは、客観的な不変の数値なので。それが変わる、というのはGoogle側が、その時期の「看護師 転職」の検索数データを「ノイズ」と捉えたということでしょう。で、「ノイズ」のデータを除去したと。
ビッグキーワードなので検索用のbotがいくつも出てきて、良からぬことをしたのかもしれないですね。(例えば、競合の広告主の広告をクリックするbotを作っていたり、、、と想像を膨らましてみる)


そもそもなんですが、僕は「転職」「求人」であれば、「転職」の方が検索数が多いもんだと思ってました。前回のブログを見て、「あれ、求人の方が検索数が多いの?」と思われた方もいるかもしれません。


つまり何が言いたいかというと、「ちゃんとノイズを除去しているGoogleという検索エンジンすごいなー」という事です。
どこかの検索エンジンと比べて、自然検索結果に表示される関連検索キーワードも信頼が置けますし。(ちなみにGoogleの関連検索キーワードは、検索数だけでなく、そのキーワードに関わるWEBのコンテンツがどれくらいあるか?も鑑みているらしいです)
こういった品質管理によって、例えばリスティング広告の不正なクリックも判別してくれる仕組みがあるんではないかと思わせてくれます。



それにしても、うーん、マニアックすぎて、だから何だと言われれば何でもない。。。