つくるひとたちを応援したい
友人に、最高にすごいギターを弾く人がいます。
高校時代からの長い友人です。彼がギターを鳴らしたときに、ああこれが天才かと思いました。弾く人によってこんなに音が変わるんだなと。村上隆的に言えば、圧力がある。
僕もベースを弾いていて、彼と一緒にバンドを組んだり、彼の活動を手伝っていました。
彼とは別個のバンドでインディーズからCDを出したこともあります。ただどこかで、彼の力に追いつくための修行のような気持ちもありました。
結局彼のすごいギターはいまだ音源になっていません。そういうことに興味がなかったのでしょう。即興にこだわっているし。才能がある人というのはなかなか世に出ないし、見つかりづらいものだなと思います。
またこれは別の友人になるのですが、自分の前世を見てもらったことがあります(僕が普段からスピリチュアルなことに興味があるというわけではなく、もともとその方を信頼していたのでお願いしたという経緯。仕事で付き合いがあったのだけど、あとからそういう能力の話を知らされてびっくりした。)。僕の前世はロシアあたりで芸術家のパトロンをしていた人だということでした。そして死ぬときに「そういえばオレも表現をしたかったんだ!」と言って死んだらしいです(笑)それで今はベースを弾いたりしているということらしい。
こういうものは信じる信じないの話ですが、自分の中ではまあそうかもな、しっくりくるな、と腑に落ちた気分になりました。
僕はいくつかの会社を経て5年前にはてなに来ました。年を経るほど、人間は変わらないものだなと実感しています。
はてなに入ってから「うちの会社のエンジニアはすごい人たちなので、もっと世間にアピールしたい」「はてなだけでなく、エンジニアという職業の人を応援していきたい」と思うようになり、エンジニア向けの記事広告を作ったりエンジニア向けのイベントを開催したりしました。
そもそも僕たち営業がお金を稼ぐことが、はてなのサービスをエンジニアが安心してつくることに繋がるんだというのがモチベーションだったし、それなりの自負もありました。
それからしばらくして、はてなは書き手を後押ししていない、と言われてしまう書き手の後押し問題が出てきました。その時「エンジニアだけでなく、ブロガーという書き手のために何かをしたい」と思うようになりました。
そのような想いや課題意識が、ブロガーさんというつくるひとたちに、企業のオウンドメディア運用のお手伝いをしてもらう仕事になりました。今は書き手という考え方も広がり、だんだんブロガーさんに限定されるものでもなくなってきています(本文の主題的に広告主側に立つ視点が抜けていますが、決してそういうわけではありません。ないはずです)。
こうして気づいたのが、僕の人生のテーマの一つは、つくるひとを応援することなのだな、ということです。それは自分の仕事の一部にさえなっていました。
さてそうこうしているうちに、ここ1,2年で自分の生活も大きく変化してきました。
プライベートでの変化はもちろん、仕事でいくつかのチャレンジをしてきた結果、なかなか出会えないはずの人生の大先輩方にお会いしてきました。さらにはじっくりとお話する機会ももらうことができ、そして叱咤激励してもらえるようになりました。本当にありがたいです。
また今年は、自分がこれまで参加しなかった場所、仕事とは関係ない場所にも意図的に参加する機会を増やしました。それが巡り巡って仕事にも繋がり始めてきた気がします。
本文の主題とは異なりますが、しばらく前から、自分が応援したい、貢献したい分野が、つくるひとの応援とはまた別に生まれてきました。これが仕事になるのか、プライベートの話でやっていくのかはわかりません。それでも自分の興味関心がダイレクトに生活や仕事につながり、自分自身を拡張できていっている気がします。
それは、はてなという会社が、自分で仕事をつくることができる環境で、そして僕自身もそれができる立場になったからかもしれません。
※この記事ははてなスタッフアドベントカレンダー2015の12月11日の記事です。
明日のアドベントカレンダー担当はid:uedayです。